コラム

進化と継承のNEW TOKIO/Text By F山科

みなさんは初めてパチンコやパチスロを触ったとき、どんな台だったか記憶に残っているだろうか。

私が初めて自分のお金で打った台は羽根モノだった。確かOL娘Iや、ニュービッグシューターが現役だった頃かと。そもそも、デジパチとか(金銭的に)恐くて打てなかったので。

羽根モノは言ってみてればパチンコの原点。玉の動きですべてが決まるゲーム性は、他では味わえない興奮があります。

昔は色々な羽根モノがありましたが、CR機の普及(=現金機の減少)だったり、他の規制なども絡んでそのシェアはどんどん少なくなりました。

新基準機であるP機で羽根モノスカイレーサー、怪盗おそ松さんなどの羽根モノも出てきていますが、昔に比べるとレパートリーが少ないですよね。

しかし、今年2021年6月に、いまや羽根モノの代名詞的存在となっているTOKIOシリーズの最新作が登場しました。

NEW TOKIO。ハカマタイプとヘソタイプがあり、前者ならこれまで変わらないゲーム性で打てます。後者ならヘソ入賞で1回開放かつ保留も1個あり。

盤面デザインはあえてTOKIO DELUXEに似せたそうです。これまでデラックス→プレミアム→スペシャルとシリーズ機が続いてきましたが、今回は今までの中でも特にデラックスに近いゲーム性になっています。

デラックスからのTOKIOシリーズは、V入賞ルートが2つあります。

一つは左のタワー役モノの中央をうまく通過して、上部から玉が落下するSPルート。

もう一つは中央の左奥から玉が出てきて、反時計回りの回転体を突破して、V入賞するルートです。

このV入賞ルートはシリーズ機を追って変化を遂げてきました。

まずデラックス。

ノーマルルートへの玉の勢いや筐体のクセで、V入賞率が大きく変化。よくクセの良い台は「白い柱の部分に玉が乗りあげて、一瞬止まってからVに向かう」パターンが多いイメージかと。

私は、その玉の動きを「ポールダンス」と呼んでいます。あの一瞬だけ玉が止まってみえる刹那の動きからのV入賞。美し過ぎますね。遅くても早くてもダメだからコレ。

次にプレミアム。

ノーマル、SPに加えて女神ルートが追加されています。1回目の羽根開放で速攻で右にいくか、2回の羽根開放で2回目が遅く入賞した時に、女神ルート突入のチャンスがありました。

女神の役モノは構成上、高確率でSPルートにいきやすい。さらに、ノーマルルートでも「右から」の入賞となるため、反時計回りの回転体との相性がいいんですね。そのまま溝を通って入賞の期待が持てるような。

そしてスペシャル。

左のタワー役モノの中が変更されたことで、SPルートに行きやすくなった印象が多いことでしょう。

ただ、その代償としてノーマルルートの希望が持てなくなったのも事実。一旦リフトに乗り上げるため、玉の勢いが殺されてしまうんですよね。

後に一発台仕様の「BLACK」も出たので、最初からこれを想定して設計されたのかと思ってしまいますな…。

スペシャルは2018年に登場したので、いまでも現役で残っています。だから、TOKIOに「SPルートじゃないと当たりづらくなくなったんだよなぁ」というイメージを抱いている人も多いと思いません。

しかしNEW TOKIOならその心配は無用。

今回、ノーマルルートはデラックスと同じようにそのまま玉の勢いを持って回転体に向かいます。

さらに、可変式のスロープが加わったことで、傾いた時に玉が向かうと、より勢いが強くなって玉が入るようになりました。

これにより、ポールダンスはもちろんのこと「溝を速攻で通過して綺麗にVに入る」というパターンが多発します!

私は、この溝を高速で通過してVに向かうルートをクイックと呼んでいます(どうでもいい)。

他にも、溝の中央部分で玉が一瞬耐えて、そこからブーメランのようにVに向かったりと、ノーマルルートの玉の動きが大きく変わりました。これは打ってもらえればたぶんすぐわかると思います。

羽根モノの醍醐味はランダム性のある玉の動きによるドラマ。デジパチでは味わえない興奮があるので、ホールで見かけたときは、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

具体的なゲーム性は、私とライターの「さやか」が動画で解説しているものもあります。

※動画のリンクはこちら

これを見ればポールダンスの玉の動きもわかると思うので、お時間があれば見ていただければ、と。

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