コラム

クドカンの“終りに見た街”

テレ朝の終戦記念ドラマ“終りに見た街”が、3度目のリメイクで放送されました。
前回2005年の中井貴一さん、その前のオリジナルは1982年の細川俊之さんで、山田太一さんの名作として小説にもなっています。

2024年に“不適切にもほどがある”でテレビドラマの賞を総ナメにしている“あまちゃん”の宮藤官九郎さんのシナリオと大泉洋さんで、3回目のドラマ化です。
全てを観てる71歳の老人のいち意見だと思って聞いて下さい。

いまの時代に、黒澤明監督の“どですかでん”を原作の山本周五郎さんの“季節のない街”を元に、去年ディズニープラスで配信して、今年テレビ東京系でON AIRして注目を浴びた宮藤官九郎さんのシナリオで、見事にギャグもちょこちょこ散りばめられ、2024年から家ごと昭和19年の6月にタイムスリップしたシナリオライターの運命を、現在のCG技術と現在の庶民感覚で、戦争中の日本を体験する“終りに見た街”は、よく出来ていました。

山田太一さんが1982年に細川俊之さんを主演にした1作目の頃、いま42年後の日本をどう予想してこのドラマを描いていたのかと思うと、1985年にオウム真理教事件や阪神淡路大震災があって、2005年に中井貴一さん主演でリメイクされたあと、2011年、東日本大震災があったことを考えると、2024年、昨日の3度目のリメイクで、このあと日本が遭遇する世の中は一体どんな世界なのか、想像します。

42年前のドラマが2024年に色褪せずに、しかも宮藤官九郎さんによって今の若者たちの感覚も上手く取り入れて復活です。

“大人計画”のシナリオを松尾スズキさんに書かされて、宮藤官九郎さんの才能は開花しました。
こないだ最終回を迎えた“新宿野戦病院”はまるで大人計画の舞台劇を楽しむようなイメージで、毎週のドタバタとピシッと芯を突くセリフの数々を小池栄子さんと仲野太賀さんが見事に演じていました。

宮藤さんご自身は、リストラされる会社の同僚を山田洋次監督、吉永小百合さん主演の“こんにちは、母さん”で大泉洋さんと共演したばかりです。
現時点でのベストタッグで、“終りに見た街”の3度目のドラマ化だと言えます。

“3丁目の夕日”で昭和のお父さんの名演が群を抜いている堤真一さんも特筆すべきで、テレビを若者が観なくなった現在、ボクたち年寄りだけでなく、テレビ朝日が若者にも観て欲しいという終戦ドラマとなりました。
これくらいの密度でドラマが作られたら地上波もまだまだ頑張れます。

果たして20年後、4度目のドラマ化をする頃、この日本は一体どうなっているのでしょうか?
いろいろ考えさせられた“終りに見た街”でした。

P.S.  中山七里さんの小説をドラマ化した“嗤う淑女”が最終回伏線回収で、ダークミステリーとしてひと昔前のアングラ芝居のように楽しく観ました。
泉里香さんと松井玲奈さんの2人にお疲れ様と言いたいドンキホーテです。
東海テレビのドロ臭さ全開でした。

“あの子の子ども”もタイトルの伏線回収が感動的なカンテレの名ドラマになりました。
桜田ひよりさんと細田佳央太さんのピュアさがドラマを最終回まで引っ張ってくれました。

“錦糸町パラダイス”は次回、ベルリン天使の詩じゃない、錦糸町天使の詩のほっしゃんこと星田英利さん演じる駄菓子屋のまっさんが300年生きてたのに死んじゃうの?って最終回の予告にドキッとしました。

“ベイビーわるきゅーれ”は第3シーズンが始まったばかりで、毎週ニヤニヤしながら観てます。

今日届いた10月のWOWOWの“ゴールデンカムイ”一色の番組パンフレットにワクワクが止まりません。
Netflixの“極悪女王”のCMスポットも、1980年代の女子プロレスの実況画面風でイケてます。
いまや配信サブスクVS地上波との最終戦争の様相を呈してきました。

▼9月21日実戦収支
A店収支
-2500円

B店収支
+6000円

C店収支
-1500円

D店収支
-4500円

E店収支
-4000円

▼1日トータル収支
-6500円

▼2024年9月トータル収支
+30万2500円

▼2024年トータル収支(※9月21日現在)
+299万7800円

▼総トータル収支
1994年3月31日~2024年9月21日
+1億34万6540円

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