コラム

秒速5センチメートルに胸キュン!

72歳にもなって、こんなに切なく胸キュンしてしまうなんて、はるか昔小学生の頃、高校生の頃、自分には無かった青春にしばし酔いしれました。

新海誠監督の1時間3分の短編アニメをどうやって2時間あまりの実写映画に膨らませるのか、作家としての好奇心もあって劇場に観に行きました。
ネットじゃあーだこーだ言ってる人たちも、“注目浴びたいだけじゃん”と思っているので、この眼でちゃんと観るまで雑音は排除します。

ポカリスエットのCMで美しい映像とCMなのにドラマを感じる奥山由之監督と、鈴木史子さんのシナリオに賭けます。
役者も松村北斗さんの存在が素晴らしいあの“ファーストキス 1ST KISS”の松たか子さんとの夫婦に、恋愛ドタバタ劇に巻き込まれても存在感がハンパない、あのモヤ~っとしたキャラクターが、この秒速5センチメートルの貴樹にピッタリです。

アニメで描かれない部分もタップリあって、アニメはアニメで十分な世界ですが、劇映画として成立させるにはいろいろな周囲の登場人物も無視出来ません。
小学生もしっかり遠野貴樹だし、高校の青木紬さんも“じゃああんたが作ってみれば”のミナトじゃなく、しっかり遠野貴樹に見えました。

随所に散りばめられたアニメと同じシーンにウットリです。

前日に“愚か者の身分”で目ん玉えぐられるような残酷なシーンの連続に衝撃を受けていたので、余計に心を洗われたドンキホーテです。
映画って観る環境が大きく左右します。

“どうやって実写化するの?”というより、実写以上にリアルな新海アニメの世界は、実写化しても十分に成立するリアリティと幻想的な自然物の描写は、ポカリスエット的な映像にウットリです。

米津玄師さんのMUSICビデオの監督としても有名な奥山監督ならではのテンポの緩急の付け方に、周囲の人物の存在もキャラクター付けには十分でした。

すれ違いの妙も、実写化でより強調されていて、72歳のじいさんも胸が2度3度締め付けられてしまいました。
女性の逞しさと男性の幼さが、しみじみ人生だなぁと感じさせてくれました。

松村北斗さんの現在の彼女役の木竜麻生さんは、NHKの夜ドラ“いつか、無重力の宙で”で毎日月曜から木曜まで2ヶ月観てきましたが、この“秒速5センチメートル”の役がハマりすぎてて切なくなりました。
“こういう女性っているよねェ”と、主人公の高畑充希さん以上の存在を感じさせてくれました。
女性の鈴木史子さんのシナリオ力でインパクト抜群でした。

小学生の高畑充希さんを演じた、“Dr.チョコレート”の白山乃愛さんの存在感が、アニメ以上に駅で待つ明里の姿に、貴樹と一緒に泣いちゃいたいくらいに心が震えてきました。
すごい女優さんになっていくのは間違いありません。

日本は、いつの間にこんなに子役のレベルが上がっちゃったんでしょうか?
よくカミさんとTVを見ていて、“この子って調教されてるの?”とボクが訊くと、カミさんがあっさり“調教されてる”と答えて、“ああ、セリフで言わされてるのね”と、ふと我に返ることも多い今日この頃です。
赤ちゃんだってしっかり演技しちゃってるのにビックリする今日この頃です。

話を“秒速5センチメートル”に戻しますが、学校帰りの中高生のカップルも映画館に詰めかけていて、この子たちにはこの映画がどう映っているのか、とっても気になったおじいちゃんなのでした。

P.S. 今日は実戦なしです。

▼2025年10月トータル収支
+13万7500円

▼2025年トータル収支(※10月28日現在)
+294万1300円

▼総トータル収支
1994年3月31日~2025年10月28日
+1億447万3340円

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