コラム

劇場霊と菅田将暉のCloud

まずこのパチショットを見て、機種がすぐわかる方はかなりのパチンコフリークです。
このP-フラッシュって、“OK!!”のロゴが目印の、あのAKB48の“ぱるる”こと島崎遥香さん主演のホラー映画、“劇場霊”のパチンコ台のハンドルP-フラッシュです。

2019年の2月に登場したOK!!の転落抽選の劇場霊をホールの片隅のバラエティコーナーで見つけました。
“なぜ?そんなところに?”と思ちゃう5年前のパチンコ台です。

そういえば、上のバーがユラユラ揺れて、体操選手のように掴まって店員さんに叱られた人もいた、あのゴキブリ宇宙人の“テラフォーマーズ”がインパクトのあった京楽のハンドルもこのデザインで、中央にビックリマークがありました。

そんな5年前の劇場霊と出会ったのは10月7日登場予定の乃木坂46のワンゲーム連チャン機を勘違いして、どこかに入っていないかとウロチョロしていた時のことです。
この劇場霊に思わず座ってしまって、よくカミさんとコロナの前に打って勝ちまくっていた頃を思い出します。
“なつかしい~!”5年でも懐かしい!

0回252回転で誰も座る気配がありません。みんな忘れちゃってます。
打ち始めて紫保留や赤保留が全く当らないので有名だった劇場霊のカラ元気に、ついつい打たされて、334回転目、このP-フラッシュで“劇RUSH”突入です。

この画面の下の追っかけっこが超レトロなパチンコです。

和泉ZONEの安心感とレインボーで大当りして手を繋いで走る和泉とぱるるです。
“なにやっとんじゃ!?”とツっ込みたくなるパチンコ台ですが、このチープさこそ、いまのパチンコが忘れかけているパチンコらしさとも言えるのです。

2823発出して1万円交換です。
乃木坂46は10月7日の月曜日までおあずけでした。

ライダーも北斗10もいっぱいで座れません。
ここで映画館はドンキホーテのルーティンです。
“ベイビーわるきゅーれ”に興奮して、変わらぬ“ビートルジュース”に1980年代を思い出して、今日は菅田将暉さん主演の“Cloud”を観ます。

黒沢清監督は昔から好きで、恐さの表現が他のホラー系の監督とは一線を画します。
“CUREキュア”なんて未だに目に浮かぶサイコサスペンスです。

この菅田将暉さん演じる主人公は、いわゆるネット社会の“転売ヤー”で喰ってる、ちょっと悪事へ一歩踏み込んだ若者ですが、転売ヤーで儲ける為に自ら犯した罪の大きさに気づかないまま、悪夢のような恐怖に巻き込まれます。
ネット社会の恐怖は誹謗中傷だけではとても収まらない狂気へと発展して、主人公に襲いかかります。

お客さんは広い観客席に平日で十数人と寂しいのは、騙されて“スオミの話をしよう”を観に行っちゃった人や、逆に見事な脚本でスクリーンを拡大して興行収入50億円突破の大ヒットロングラン決定の野木亜紀子さんシナリオの“ラストマイル”へ押しかけちゃった映画ファンの動きのせいです。

“Cloud”はタイトルからしてピンと来ない映画で、菅田将暉さんか黒沢清監督ファンにしか引っかかっていない作品です。
両方の大ファンのドンキホーテには、昔のフランスの“フィルムノワール”のような銃撃戦と、黒沢ホラーの精神的にギュッとくる恐怖は、最後まで目が離せません。

海外でスタンディングオベーションが起きたのも納得で、日本人には不気味な、ラストにズシンと来て、カタルシスがありません。
転売ヤーをやってる方たちにはとんでもない恐怖の展開です。
ネット社会の怖さを凝縮したかのような、紙袋で顔を隠した犯人の1人も、袋を取っても“あんた誰?”というネットの顔なし発言の恐怖を笑っちゃう監督の強烈なメッセージが伝わります。

“Cloud”呆気にとられる菅田将暉ファンも、菅田さんと窪田正孝さんと古川琴音さんの演技力に酔って下さい。
イメージしているような映画とは一味違います。

▼10月1日実戦収支
A店収支
+5000円

B店収支
-10000円

▼1日トータル収支
-5000円

▼2024年10月トータル収支
-5000円

▼2024年トータル収支(※10月1日現在)
+307万300円

▼総トータル収支
1994年3月31日~2024年10月1日
+1億41万9040円

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