コラム

ドラマは月9より木10の時代へ

フジテレビのドラマは長い間月曜日の夜9時、いわゆる月9がバブル時代からトレンディドラマとして、テレビの世界をリードした時代がありましたが、フジテレビの社長が、あのとんねるずのみなさんのおかげですや、夕焼けにゃんにゃんやオールナイトフジの名物プロデューサー、港浩一さんになって神風が吹き始めました。
フジテレビヤングシナリオ大賞で発掘した脚本家、生方美久さんがドラマ新世代といえる木曜夜10時に目黒蓮さんと川口春奈さんのsilentで純愛ドラマブームを巻き起こしたのが今年冬から春にかけてでした。

そして2作目の“いちばんすきな花”が始まって、きのうの夜で3夜目です。
Silentも、1回目のラスト5分が神回と言われたように、生方さんのシナリオは日常の中で忘れかけてたり、気にはなってたけれどテレビドラマがちょっと避け気味な人の琴線をビクンとさせるトラップが必ずあるドラマを描いて下さいます。
何度見てもグッとくるシーンがあります。決して大金をかけたり、海外ロケをしなくても日常のやりとりだけで感動をプレゼントしてくれます。

ボクが子供の頃は、木下恵介アワーといって、木下恵介さんのおやじ太鼓や七人の孫などのホームドラマが人気で、買ったばかりの白黒テレビのブラウン管に釘づけになっていた時代です。
日本製のテレビ番組より、やっと海外から買い付けたルーシーショーやミスターエドやコンバットというアメリカ製のテレビ番組が日本の白黒テレビを占領していた頃です。
ポパイやちびっこ大将にスーパーマンと、子供だった根っからのテレビっ子のドンキホーテは夢中になって、70歳のいままでテレビなしでは生きられない身体に育ってしまいました。

いまでも、全録という同時に全番組を録画できるデッキ2台と、NetflixやYouTubeを観られるチューナーを3台に、スカパー用のチューナーにブルーレイデッキ、なつかしいビデオデッキもフル稼働で10万本以上のドラマ、バラエティ、スポーツ、舞台中継、音楽番組にライブ映像と、2つの家を占領され続け、まだダンボールを開封していないほど増殖を続けています。
ビデオテープで保存された60年代70年代80年代のなつかしいテレビドラマから、DVDで保存された90年代、2000年代、そしてブルーレイと保存方法は変わっても、1日のテレビ番組のほとんどをチェックして、いまやNetflixやスカパーで豊富なコンテンツをチェック出来る、とんでもなく恵まれた時代になりました。

テレビドラマも、向田邦子さんの作品“阿修羅のごとく”から“時間ですよ”に、“寺内貫太郎一家”と数知れず、鎌田敏夫さんの“男女7人夏物語”や、山田太一さんの“想い出作り”、 倉本聰さんの“北の国から”など数々のドラマを保存してきました。
この辺のシナリオライターのみなさんのテイストを、まだ20代の若き女性シナリオライターの生方美久さんが“silent”から“いちばんすきな花”と、見事に見せてくれます。

若い方にも、数々のネット配信でドラマを観て育ってる方にも新鮮にハマってしまうテイストがあります。
ボクたちテレビのブラウン管世代から育った人間には、どこか遠い昔にテレビを観ていた時代を思い起こさせる生方ドラマです。

3回目、登場人物が手を合わせるシーンに大爆笑して心が暖かくなったドンキホーテです。まさかこんなに笑わされるなんて、人間の喜怒哀楽を操るシナリオの凄さに改めてすごいお宝をフジテレビは見つけてくれたと、港社長に大感謝したドンキホーテです。

月9も、教場で新しい世界を見せてくれたのが、あの踊る大捜査線のシナリオライター君塚良一さんが、航空管制官の世界をBSドラマでやったりと、路線を模索していたのですが、長岡弘樹さんの原作小説を得て開花したばかりで、木曜10時の生方ドラマが主題歌の藤井風さんの歌声と共に、新時代のドラマの風を吹かせてくれました。

TBSの“VIVANT”の福澤監督の大チャレンジといい、TVドラマの新時代がやってきました。

P.S. 1億円へのカウントダウンのカラー原稿を描いて今日は実戦なしです。

▼2023年10月トータル収支
+28万2500円

▼2023年トータル収支(※10月26日現在)
+442万6500円

▼総トータル収支
1994年3月31日~2023年10月26日
+9642万4240円

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